ぎんなんの旬は、9月頃から11月中旬頃と言われています。

茶碗蒸しや串焼きなどのイメージがあります。

実は、ぎんなんは食べすぎると中毒症状が出ることを知っていますか。

特に、子供は7個以上食べると危険と言われています。

過去には五歳以下の子供で5〜6個食べ、死亡してしまった例もあります。

ぎんなんは、栄養価抜群で、風邪予防に最適ですが、食べ過ぎには注意して下さい。

今回は、そんなぎんなんについてまとめてみました。

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ぎんなんの中毒症状とは?

ぎんなんの中毒症状は、主に嘔吐と痙攣です。
その他にも下痢や呼吸困難、眩暈、意識障害などの症状が出る場合もあります。

発症時間は、食べてから1~12時間と時間の幅が広いです。

ほとんどの場合、24時間〜90時間以内に症状は軽減しますが、希に死亡することもあります。
そのため、体調が悪いなと感じたら、すぐに病院に行くことをおすすめします。

ぎんなんはどれくらいなら食べて良いの?

ぎんなんの中毒症状は、一度にたくさん食べた場合に起こることが多いです。

日本中毒情報センターでは、子供の場合は7個以上、大人の場合は40個以上食べないように注意喚起しています。

特に、5歳以下の子供の場合は、さらに危険と言われています。
解毒機能が発達していないこともあるので、食べさせない方が安全であると言われています。


また、大人であっても、健康状態によっては、5~6個食べただけで、中毒症状が起こることがあります。

ぎんなんの食べ過ぎには、くれぐれも注意して下さい。

ぎんなんの中毒症状はなぜ起こるの?

ぎんなんによる中毒症状には、ビタミンB6が関係しています。

ビタミンB6は、脳内の神経伝達物質の生成に、重要な物質だとされています。

ぎんなんには、ビタミンB6と構造の似ている「4′-メトキシピリドキシン」が含まれています。

この4′-メトキシピリドキシンは、ビタミンB6と似ているために、ビタミンB6の働きを阻害してしまうとされています。

ビタミンB6の働きが阻害されると、ビタミンB6欠乏症となってしまいます。

それにより、脳内の中枢神経で悪さをして、痙攣などの中毒症状が出ると考えられています。

ぎんなんを食べて数時間後、痙攣などの症状が起きたら、ぎんなんによる中毒の可能性があります。

その場合は、すぐに医療機関を受診して、治療する必要があります。

その治療に使われるのが、ビタミンB6です。

ぎんなんに含まれる4′-メトキシピリドキシンよりも、ビタミンB6の量が多くなると、毒の働きが弱くなり、中毒症状が治まります。

ぎんなんによる中毒を防ぐためには?

ぎんなんに含まれる4′-メトキシピリドキシンは、煮たり、焼いたりといった加熱調理をしても消えることはありません。

そのため、ぎんなんによる中毒を防ぐためには、一度にたくさん食べ過ぎないようにするしかありません。

ぎんなんによる中毒は、子どもの報告例が多いです。

しかし、大人の場合であっても、偏食や飲酒などでビタミンB6が欠乏している状態であったり、大量に食べたりすることで、中毒を起こすことがあります。

ぎんなんは、苦手な人もいると思います。

しかし、銀杏の木から落ちて、すぐに収穫したぎんなんは、苦味が少ないため食べやすいそうです。

ぎんなんの炒りたては、きれいなエメラルドグリーン色の実が、ホクホクして美味しいので、食べる手が止まらない人もいると思いますが、食べ過ぎないように注意して下さいね。

ぎんなんは触ると危険って本当?

ぎんなんの実に、素手で触ると、かぶれてしまうことがあります。

これは、ぎんなん接触性皮膚炎と言われます。

ぎんなんの外皮(外側の柔らかい部分)には、ビロボールという成分が含まれています。

このビロボールという成分に、触れることにより、アレルギー反応が起こり、かぶれてしまうのです。

そのため、ぎんなん拾いやぎんなんの調理をする時には、手袋をはめることをおすすめします。

ぎんなん接触性皮膚炎は、必ずしも全員に起こるわけではありません。

しかし、ウルシやマンゴーによりかぶれたことがある人は、ビロボールと似た成分を含むため、注意が必要と言われています。

これからの季節は、ぎんなんが道や公園に落ちていることが多くなるため、子供が素手で触らないように、見守ってあげることが大切かもしれません。

ぎんなんの栄養価は?

ぎんなんは、主に糖質や脂質、たんぱく質から作られていますが、ビタミンCやβ-カロテンなどといったビタミンも含まれています。

そのため、かなり栄養価の高い食材であり、季節の変わり目の風邪予防に最適と言われています。

食べ過ぎには、注意が必要ですが、高栄養価の食材ですので、ぜひこの時期に食べてもらいたい食材でもあります。

ぎんなんの臭いの秘密とは?

ぎんなんは、独特の臭いがあり、これが嫌われる原因になることがあります。

しかし、この独特な臭いには、いちょうが生存するための戦略が隠されているのです。

ぎんなんの独特な臭いは、イチョウが、恐竜などの動物に食べてもらえるように工夫した結果なのではないかとされています。

恐竜などの動物が、ぎんなんを食べ、排便することで、色々な場所にいちょうの種を拡散することができます。

実際に、恐竜の糞の化石からは、ぎんなんたくさん見つかっています。

そして恐竜が生きていたとされる時代は、いちょうが大繁殖していた時代でした。

しかし、恐竜が絶滅すると同時に、いちょうの数も減っていったのです。

ぎんなんの臭いの原因は?

ぎんなんの独特な臭いの原因は、3層構造になっている外皮のうちの1番外側にある表皮が原因です。

この表皮には、「酪酸」と「エナント酸」と呼ばれる成分が含まれています。


酪酸は、脂肪が消化分解される途中で生成される物質で、蒸れた足の臭いのような、排泄物の臭いがします。

そしてエナント酸は、揮発性が低く鼻に残る成分で、腐った油のような臭いがします。

この2つの物質が混ざり合うことで、あの思わず鼻をつまみたくなるような臭いを作り出しているのです。

ぎんなんとは?

いちょうは、中国原産の落葉樹で、夏から秋にかけて果実が黄色く熟します。

ぎんなんは、いちょうの種であり、固い殻の中にある部分のみ食べることができます。

ぎんなんの全体は、イチョウの種です。

そして、内側の食べることができる部分を胚乳(はいにゅう)と言います。

胚乳は、種皮という皮に覆われていて、種皮のうち、においを発する場所は外層と呼ばれています。

いちょうは、絶滅危惧種なの!?

野生のいちょうは、絶滅危惧種に指定されています。

先ほど、恐竜が絶滅すると同時に、いちょうの数も減っていったと説明しました。

全盛期は、数十種類のいちょうがありましたが、最終的には、1種類のみとなりました。

その1種類は、中国四川省の山奥で、見つかりました。

そこから、世界各地にいちょうは、存在していますが、野生のいちょうは、中国四川省の山奥にあるいちょうのみなのです。

ぎんなんによる子供の中毒症状に注意!のまとめ

ぎんなんは食べ過ぎによって中毒症状を引き起こすことがあります。

特に子供の例が多いため注意が必要です。

日本中毒情報センターでは、毎年この時期に注意喚起をおこなっています。

死亡例もあるため、5歳以下の子供には、ぎんなんを食べさせないことを推奨しています。

しかし、ぎんなんは、とても栄養価の高い食材でもあるため、適度に食べる分にはおすすめの食材です。

また、ぎんなんを素手で触ってしまうと、接触性皮膚炎を起こすことがあります。

道や公園によく落ちているため、触る時は、手袋をするなど、注意したいですね。