10月になり、肌寒い日が増えてきました。

冷えた体を温めたり、夜眠る前にホットミルクを飲む方もいるのではないでしょうか。

私の子供は、ホットミルクを冬になると飲むのですが、牛乳を温めるとできる膜って気になりませんか?

毎回、膜ができてしまい、正体がよく分からない上に、子供は嫌がるので、膜を取り除いてから、飲ませています。

そこで、ずっと気になっていた膜の正体について調べてみることにしました。

そして、牛乳を温めても膜ができにくくなる裏技も見つけたので、ご紹介します。

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牛乳を温めるとできる膜ってなんだろう?

ホットミルクの膜が、子供は苦手なんだよね。

え!!!? 栄養満点だから、ぜひ食べてほしいんだぁ!

牛乳を温めるとできる膜の正体は、牛乳に含まれるたんぱく質脂肪です。

たんぱく質は、熱を加えると固まる性質があり、牛乳の脂肪分を包み込んで膜を作ります。

牛乳を40℃以上に温めると、表面に薄い膜ができます。

最初は、肉眼では見えない程度の変化ですが、牛乳を温める温度が高く、時間が長いほど、膜は厚くなっていきます。

この現象を「ラムスデン現象」と言います。

ラムスデン現象とは
  • 牛乳を40℃以上に温めることにより、表面に膜が張る現象のこと。
  • 1903年に、ラムスデン氏が発見した。
  • 海外では、論文執筆者の名前から「ピカリングエマルジョン」や「ピカリング凝固」と言われることが多い。

牛乳を温めるとできる膜の栄養価はどのくらい?

牛乳は、約87%が水分でできています。

しかし、残りは、タンパク質3%以上、脂質4%弱、炭水化物5%弱、さらにビタミン・ミネラルを豊富に含んでいるため、5大栄養素をバランス良く含んだ食品となっています。

そんな栄養満点の牛乳からできる膜は、出来上がり回数によって、含まれる栄養の割合が変わってきます

最初にできる膜は、脂肪が70%以上含まれていて、たんぱく質は20~25%ほどです。

しかし、後にできる膜ほど、脂肪が少なく、たんぱく質の多いものが出来上がります。


膜の成分には、脂肪とタンパク質の他に、ミネラルも含まれているため、牛乳を飲むよりも、膜を食べた方が栄養摂取効率は高いと言われています。

身近なラムスデン現象

タンパク質と脂肪がくっつき合うことで起こるラムスデン現象は、身近多く起こっています。

それらについてまとめてみました。

  • 豆乳から作られる湯葉。
  • ポタージュやカレーなどにできる膜。
  • 豚骨や鶏ガラなどのスープを作る時にできる膜。

これらは全て、タンパク質と脂肪を含んでいるため、ラムスデン現象が起こるのです。

水やお茶を温めても膜ができないのは、タンパク質や脂肪が含まれていないからです。

身のまわりには、科学で説明できる不思議な現象が、たくさんあります。

おうちで楽しむ 科学実験図鑑」は、身近な道具や材料を使って、キッチンやリビングなど、おうちでできる実験がまとめらています。

なぜ、そんな現象が起こるのかも解説してあり、親子で楽しむ実験本となっています。

自由研究にもおすすめです。


牛乳を温めても膜ができにくくなる裏技とは

牛乳を温めても膜ができにくくなる裏技が、いくつか紹介されていたので、簡単にまとめてみました。

鍋で温めて作る場合

STEP1
鍋に牛乳を入れて、火にかける。

火加減は、中火にする。

STEP2
底からかき混ぜながら、温める。

沸騰させないように温めるのがポイント!

STEP3
温まったら、コップに入れる。

引用:JAきたみらい

電子レンジで温める場合

STEP1
コップに牛乳を入れ、電子レンジで軽く温める。
STEP2
一旦取り出して、かき混ぜる。
STEP3
もう一度、電子レンジで温める。

温める時間を2回に分けることで、膜ができにくくなる。

引用:JAきたみらい

砂糖を入れる

STEP1
鍋やコップに牛乳と砂糖(小さじ1/2杯)を入れる。

STEP2
鍋やコップに入れた牛乳を温める。

引用:クラシル

砂糖には、タンパク質が固まる温度を上げる効果があります。

通常なら40℃ほどになると、ラムスデン現象により膜ができます。

しかし、砂糖がラムスデン現象の起きる温度を高くしているため、膜ができにくくなる仕組みです。

膜ができにくくなるだけで、できないわけではありません。

タンパク質が固まる温度を上げているだけなので、加熱し続けると膜ができてしまいます

また、砂糖を入れていますが、コップ1杯の牛乳に対して、小さじ1/2杯の砂糖を入れても、それほど甘さを感じるほどではありません。

ただし、甘さの感じ方には、個人差がありますので、なんとも言えませんが・・・。

この方法だと、混ぜ続けたり、2回に分けてレンジで温める必要がないので、楽です。

もともと、ホットミルクに砂糖を入れる人は、後入れでなく、先入れをおすすめします。

重曹を加える

STEP1
鍋やコップに、牛乳と重曹(ひとつまみ)を入れる。
STEP2
鍋やコップに入れた牛乳を加熱する。

引用:クラシル

タンパク質には、酸性で固まる性質があります。

そこで、重曹を入れて、弱アルカリ性にすることで、膜を防ぐことができる仕組みです。

重曹を加えても、口当たりや味わいへの影響はありません。

使用する時は、必ず、食用の重曹を使用してください。

牛乳を温めるとできる膜って何?のまとめ

  • 牛乳を温めるとできる膜は、タンパク質と脂肪。
  • 膜には、栄養があるため、食べても問題ない。
  • 膜をできにくくする方法には、混ぜながら加熱する方法、砂糖や重曹を入れる方法がある。

牛乳を温めることによってできる膜が苦手な人は、ぜひ今回、ご紹介した方法を試してみて下さい。

少し余談。。

私の家では、ちょっと高級な牛乳をたまに楽しんでいます。

淡路島のモーツァルト牛乳です。


淡路島に旅行に行った時に出会ってから、家族みんな虜になっています。

透き通ったミルク感、優しい甘み、後口もすっきりの3拍子そろった上質な牛乳なのです。


10月〜4月は、乳脂肪分が高くなるので、より濃厚なコクを感じられます。

美味しさの秘密
  • モーツァルトの癒しの曲を聴かせて育てる。
  • 無農薬で育てた自前の粗飼料や濃厚飼料を与えている。
  • 牛が飲む水は、地下80mのおいしい地下水をくみ上げている。
  • 牛舎で自由に移動可能なようにして、できるだけストレスフリーにしている。

カルシウムやビタミンも他の牛乳より高くなっているらしい!

ぜひ一度、試してみて下さい。