溶連菌感染症は子供がかかりやすい病気ですが、実は免疫力が低下している大人や妊婦さんが感染するケースも数多くあります。

溶蓮菌感染症は無治療の場合には、リウマチ熱や急性糸球体腎炎といった合併症を引き起こす恐れがあるにもかかわらず、ワクチンによる予防ができない感染症なので、治療法や予防法を詳しく知っておきたいですよね。

今回は溶連菌感染症の原因、症状、治療法、予防法を体験談も交えながら、ご紹介します。

・ 溶連菌感染症とは?

溶蓮菌感染症とは、A群β溶血性連鎖球菌という細菌によって起こる感染症です。

子供が・成人ともにかかりやすく、発症しやすい年齢は小児では4~10歳の学童期とされています。

溶蓮菌感染症が感染しやすいのは、春から夏の時期と冬の時期だといわれています。

・ どんな症状が出るの?

溶蓮菌感染症の主な症状としては、発熱と喉の腫れがあります。

この他にも、咳、頭痛、倦怠感、腹痛といった症状が現れることもあり、風邪の症状に似ています。

子供が溶蓮菌感染症にかかった場合、風邪のときより喉の痛みを強く訴える傾向にあるので、その点に注意してみると、風邪と見分けることができるかもしれません。

私の子供が溶連菌感染症になった時は、やはり喉の痛みが強いため、喉越しの良いゼリーしか食べることができませんでした。

また、溶蓮菌感染症にかかると、イチゴのように舌の表面にぶつぶつができる「イチゴ舌」や、体に淡い紅斑が出現することがあります。

無治療の場合には、頻度は低いですがリウマチ熱、急性糸球体腎炎、血管性紫斑病といった合併症を起こすこともあります。

しかし、3歳未満の乳幼児が溶蓮菌感染症にかかった場合、典型的な症状が現れないことがあります。

発熱、咳、鼻水、母乳やミルクをあまり飲まない、元気がないといった症状が見られたら、溶蓮菌感染症の可能性を疑いましょう。

・ どういう経路で感染するの?

溶蓮菌感染症は、ほとんどの場合、菌を含んだ咳や唾液を吸い込むことによって感染すると考えられています。

溶蓮菌感染症の原因となるA群β溶血性連鎖球菌は、食品中でも増殖することは可能なので、感染者の咳や唾液が食べ物に当たらないように心がける必要があります。

症状が出ている人の手をつけた食べ物は、勿体無いからと言って、食べてしまわないことが大切です。

・治療方法は?

溶蓮菌感染症の症状が分かりやすく出ている場合は、検査を行わず、視診や問診、聴診などで診断されることもあります。

溶蓮菌感染症が疑われる場合は、喉を綿棒でこすり、菌の有無を判断する迅速検査、採取した菌を培養する検査、経過が長い場合には血液検査によって確定診断が行われます。

一般的に、溶蓮菌感染症の治療方法には、抗菌薬が処方されます。

抗菌薬を使うと、1~2日ほどで熱が下がり、喉の痛みも1週間以内に緩和します。

しかし、症状が治まったからといって、抗菌薬の服用をすぐに止めてしまうと、症状が再燃する可能性があります。

溶蓮菌感染症の原因となる菌を体内から確実に退治するために、処方された分は飲み切るようにしましょう。

一般的に、10日間ほど抗菌薬を服用し続けるよう医師から指導されることが多いようです。

私の子供が溶連菌感染症になった時は、担当医師に内服を忘れないように、何度も念押しされました。

それくらいきちんと薬を服用しないと、溶連菌は体に悪さをするのだなと思ったのを覚えています。

・ いつから登園、登校できるの?

溶蓮菌感染症は保育園や幼稚園、小学校など多くの子供たちが集まるところで、流行することがあります。

溶連菌感染症は、学校保健安全法で第三種の感染症として扱われており、「病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで」出席停止になることが定められています。

一般的には、「解熱してから24時間が経過している」ことが目安になります。

解熱して24時間経過したら、再度医療機関を受診し、登園許可証や登校許可証と言われる診断書を書いてもらう必要があります。

・ どうやったら予防できるの?

溶蓮菌感染症には予防接種がないため、自分たちで意識して予防する必要があります。

まずは手洗いやうがいはしっかり行い、飛沫感染しないよう、人が多い場所ではマスクを使うのが有効です。

家族内で溶蓮菌感染症がうつる確率は約3〜5%と少なからずあるので、家族の誰かが溶蓮菌感染症にかかった場合は、可能なら、解熱するまで別の部屋で過ごして、家族内感染を防ぎましょう。

・ まとめ

溶連菌感染症は、A群β溶血性連鎖球菌という細菌によって起こる感染症です。

主な症状は、発熱と喉の腫れです。

診断方法としては、喉を綿棒で擦り、きん有無を判断する迅速検査と培養検査、経過が長い場合には血液検査を行う。

治療方法としては、一般的に10日間の抗菌薬服用です。

溶蓮菌感染症は無治療の場合にはリウマチ熱や急性糸球体腎炎といった合併症を引き起こす恐れがあり、感染した場合はきちんと治療をすることが大切です。

感染の予防としては、手洗いとうがいは徹底であり、周りに感染者がいたら、うつらないようにマスクをしましょう。

また、免疫力が下がらないようにするため、十分な睡眠や栄養ある食事を普段からしっかりとるよう心がけてください。病気の予防は、病気にかかっていない状態を保つことが目的であり、目に見えて効果が出るわけではないため、毎日しっかりと続けるのも難しいかもしれません。手洗いやうがいを面倒がってやらない子供も多いものです。

しかし、健康的な生活を送ることができれば、自分だけでなく、周りにいる大事な人たちも、笑顔で元気に過ごすことができますよ。嫌がる子供にも、日々の生活に習慣づけてあげられるといいですね。